新人対談

新卒対談「YOUは何しに文星閣へ」Vol.5

名前:S

出身:埼玉県

好きな作家:ヘミングウェイ

趣味:アークナイツ

理解できない食べ物:メロン果汁入りメロンパン

ハマってるもの:W(日本酒)

新入社員の就職活動中の体験談や入社後のアレコレをインタビュー!
新卒×新卒 だからこそ話せる ホンネ

1)臨床心理学から印刷の道へ

―よろしくお願いします、最終回ですが気楽にやっていきましょう!
:はい(笑) よろしくお願いします!
―改めて「YOUは何しに文星閣へ?」というテーマで、Sさんがどういう思いで文星閣に来たのか聞かせていただければと思います! さっそくですが、大学時代はどんなことを学んでいらしたんですか?
:うーん……説明が非常に難しいのですが、臨床心理学という学問を専攻していました。そのなかでも「人間の無意識」と「母子関係」というテーマで研究していたんですが、分野としては大枠で「心理学」ですね。
―おお、いきなり小難しいキーワードが……「母子関係」というと、家族関係に関心があったんでしょうか? もう少し詳しく伺いたいです。
:もちろん!ただ、どちらかといえば「人間の無意識」の方をメインで取り組んでいました。
―そうだったんですね! 仰っていただいたように心理学にも色んなテーマがあると思うんですが、どんなきっかけで「人間の無意識」に関心を持たれたんでしょう? 
高校時代に心理学者のフロイトとユングに関する本を読んだのが始まりです。当時お世話になった先生が心理学に詳しい方で、そういった本を紹介してくださったんですよ。特にユングの「人間は異なる文化圏においても、根本的に同じもの(本質)を持っている」という部分にとても共感したというか、面白いなと感じて……そこから、人間の無意識に惹かれていくようになりました。
―そんな難しそうな本を読まれていたとは……! その先生がSさんの心理学への道を切り開いてくださったんですね。そうやって心理学を学ばれてから印刷に来た理由が気になります。何かきっかけがあったのでしょうか?
:先程もチラッと話に出ましたけど、大前提として僕は本が好きなんです。父が本関係の倉庫を経営していて小さいころから本を読む習慣がついていましたし、埼玉の地元は印刷会社が多い地域だったのもあって、印刷・出版にはずっと興味がありました。
―実は私とSさんは地元が近いんですけれど、印刷所とか製本工場がすごく身近な存在なんですよね。なのに地元を離れて大田区まで来ているという……。
:そうなんです(笑) 紆余曲折を経て文星閣までやってきました。ただ、本当は大学を出てすぐに就職するつもりではなかったんですよ。大学院に進学したかったんですが、勉強している間に思うところがありまして。
―ああ、ありますよね……勉強を続けていくのかどうか向き合うタイミング。
臨床心理学ってかなり心のタフさが求められる学問なんです、悩みを抱えてる人のカウンセリングをするには聞く側も体力がいるので……自分にはちょっと臨床心理士はきついぞ、とだんだん気付き周りより遅れて就活を始めることになりました。それで、就活サイトで印刷会社を調べたら文星閣がヒットしたんです。
―そういう経緯だったんですね! 実際にエントリーをしてから、会社説明会などには参加されましたか?
全く行かなかったです。自己PRを出したら即面接で……正直、受けたら拾ってもらった、という感じです。
―即面接ですか! 実際、Sさんの時の面接ってどんな感じでした?
オンライン面接で、CSOの奥武士さんとマンツーマンで行いました。なかでも「何か乗り越えたことはありますか?」という質問がすごく印象に残っています。そこでは、中高時代に水泳部の主将を務めた経験について、チームを引っ張っていくために行った試行錯誤の思い出を語りました。

2)心に響いた”印刷への熱意”

―いわゆるガクチカ(学生時代に培ったこと)ですね~、面接のあとは実際に昭和島で工場見学などをされたんでしょうか?
はい、工場に来ませんか?という流れになりまして。ただ、工場見学の前に工場長さんとの面接がありました。こちらは心理学のなんやかんやについて話をし、工場長さんからは印刷について様々なご教示をいただきました。そこから工場見学に行って、その次に代表と工場長とランチ面接がありました。
―ランチ面接!いいですね、どちらに行かれたんですか?
お蕎麦屋さんに連れていってもらいました。
―お蕎麦屋さん!?話をしてる間に麺が伸びちゃいませんか?
いえいえ、移動中というか、行きかえりの車内でもお話していたんで……。
―へえー……もちろんこういうご時世ですから食事中も気を付けての実施だとは思いますが、きっと食べてる時の自然な人となりも見ていただいたんでしょうね。変わってますねえ(笑)
変わってます、いや本当に変わってると思う(笑) それから会社に戻って結果発表となり、「力を貸してください」と言ってもらいました。
―おお! 実際に内定をいただいたときの心境や感想をぜひ教えてください!
うーん……正直、あまり実感はわかなかったんです。オンラインで面接をしたあと現地に行ったら内定が決まったという感じだったので。でも、あえて言うとしたら奥代表の熱意に心動かされたといいますか。
─代表の熱意……!具体的にどういった内容だったんでしょうか。
S:日本での印刷の地位を上げたいとおっしゃる言葉もそうですし、工場も綺麗で迫力があって、まるで代表の思いが形になったかのような印象を抱きました。そこに感銘を受け「良いなあ……」と思って、入社を決めました。
―なるほど……代表の「印刷を取り巻く環境を良くしていきたい!」という理念を、Sさんは会社見学でも面接でも実感されたわけですね。さて、他の皆さんと同じくSさんも入社してすぐ研修に行かれましたが、研修で興味を持った授業はどんなものでしたか?
どの授業も勉強になりましたね、プラス面もマイナス面も交えながら印刷について知ることができました。印刷以外の授業だと、Adobe製品を触る授業は自分の美的センスのなさを実感しましたね……ついていくのに必死でした(笑)
―DTPに触れる機会も勉強になりましたが、デザインは難しかったですよね……ただ座学だけでなく、実践も交えつつの研修だったということで良い刺激になりましたね。
そうですね、刺激にはなりました(笑) やはり印刷関係の授業だと実践演習が印象に残っていますね。もちろんそれまで印刷機を回した経験もなかったので、これからこういう事を仕事にしていくんだ、とワクワクしました。
─同世代の印刷業界の仲間と交流はどうでしたか?
そうですね……文星閣の新卒同期はバラエティに富んでるメンバーが集まっているな、と感じました。たとえば他社さんだとデザイナー部門で募集をしていたり、あるいは現場方だったり、何となく新卒メンバーのカラーがまとまってるような印象を受けまして。ある意味、その毛色の違いが文星閣の強みってことかもしれませんね。

3)「孤独」と「依存」のあいだ

―おお! いい感じにまとめていただきました、色んな個性が集っているのが文星閣!実際JPAの校長先生からもそんなようなお言葉をいただきましたね。良い意味で目指す方向がバラバラといいますか。
あえて言うなら、そこをどうやって舵取りしていくか……ということですかね、海賊なだけに、ハハハハ。
―ハハハハ……では研修を終えて感じたことや会社に戻ってから湧き上がってきた熱意や、ここでアピールしたいことがあれば教えてください!
(笑) 研修のまとめですか……心理学と通ずることで言えば、心理カウンセラーと印刷会社って一緒だなって思いました。
―かなり大きな話を持ってきましたね……その並列を結ぶ要素とは、ずばり?
色んな人が色んな問題を抱えてやってくるんですよ。クライアントがそれぞれの事情を抱えていて、それぞれの目的があってやってくる。そして、それにどう応えるか?どんな提案をして、寄り添っていくか? そういった部分が、なんか一緒だなあ、と思いました。そうしていくべきなんだろうな、と言いますか。
―印刷に関わる色んなケースって、一つ一つ個別的な出来事なので平均化できませんよね。その場で対応していかなくてはいけないですし、目の前の課題を機械的にこなせばいいってものでもなくて。
ええ、だからただ受け答えすればいいだけじゃないですよね、。言われたことをするだけではなく……どうして文星閣にその案件がきたのか、それを考えながら仕事に取り組む必要があるなと思います。
─では、ここからは文星閣での業務について聞かせてください。まだ仕事を始めたばかりだとは思いますが、実際に働いてみての感想や発見などはありましたか?
まず思ったのが、現場に入ったら一人だな……ってことですね。オペレーターとフィーダーマンの二人で組んで機械を回しているんですけど、研修では会社全体のチームプレーという印象が強かったのですが、実際は流れてくる仕事をこなす……という感じだなと。自分が働く場ではそれほど他部署と関わりがなく、まだあまりチームというのを実感できてないって部分がありますね。
─それは確かにありますね……工場は工場の現場で完結してる部分があるでしょうし、私も営業部をサポートする部署に配属されているので、他部署や工場の様子や仕事の流れはあまりイメージできないでいるな、と日々実感しています。
うーん、実際には工場というより機械で完結しているって感じがします。やはりもう少し他部署の仕事内容などに触れて、全体を知ることができたら印象が変わってくるのかなと思います。部署を超えてお互いが関わっていけば、絶対にうまく、気持ち良く落ち着ける部分があるはずなので。
─いいですねえ! Sさんの「絶対に」っていう信念はとても大事だなと思います。ここからここまでわかっていて、ここなら伝えられる!っていうポイントをお互い共有する、というイメージでしょうか?
心理学では過剰に離れていると「孤独」、過剰に近づきすぎると「依存」って言うんです。孤独と依存の間に良いポイントが必ずあるので、そこを探していきたいですね。部署間でも、社内全体のコミュニケーションとしても。
─近すぎず離れすぎず、程よい距離感を模索していけたら……ということですね!

4)今すぐオペレーターになりたい!

─そろそろまとめに入らせていただきます。Sさん自身は、今後ご自分のキャリアについてはどうお考えですか?
とっととオペレーターになりたいです!……ちょっと生意気でしょうか(笑)
─いえ、ガッツがあって良い! 原文そのまま書きましょう、現場の皆さんも頼もしいのではないでしょうか。 うおおおお!みたいな……(笑)
本当に、とっととなりたいんです(笑) 今もどかしくてしょうがないんですよね、早く機械に触りたい。今は研修として油性機もUV機も色んな機械に回っているんですけれど、色んなオペレーターさんについていて、どの方も個性があって……伸び伸びと仕事されてらっしゃるのが楽しそうで。
─伸び伸びと……決まったやり方があるというよりは、それぞれのベストなやり方を突き詰めてらっしゃるんでしょうか?
そうですね、話は少し戻るのですが、面接と工場見学に行ったときに工場長さんから「色んな印刷物を刷るから、それぞれがそれぞれのモチベーションの上げ方ができる」という話を伺っていまして、それが反映されてらっしゃるのかな、と感じました。
─なるほど……そういえば、私が工場見学に来たとき機械ごとに曲が変わる(印刷時にオペレーターさんが好きな曲が流れる)ことにビックリしたんですが、言ってみればあれもモチベーションですよね(笑)そういった表面的な部分に留まらず、それぞれ仕事のやりがいを見出して働いてらっしゃると、素敵ですね。
素敵なことですねえ、早く自分もそっち側になりたいです。今まで「自分、こんなことをしています!」と具体的に表現できるものに取り組んでこなかったんですよ。これまで心理学と水泳をやってきましたけど、心理学は人の心が読めるんですか?なんて聞かれますし、水泳も人に見せるにはプールに行くしかない……それに比べて印刷だと、印刷物を一枚見せて「これ、自分が刷りました」ってシンプルに言えるんですよ。それがすごく良いな~って思います。
─指をさしながら、「僕がこの色を出しました」みたいな!
そうそう、そんな風に「自分がやったぞ」って言えることに、すごく……わくわくしますね。
─じゃあ、今はとにかくオペレーターを極めたいということですね、頼もしい~! ぜひ、良いオペレーターになってください!
任せてくださいよ! つい大きく出ちゃった(笑)
─Sさんのそういうところ、現場の皆さんも心強いと思いますよ! それでは、締めに入っていきたいと思います。Sさんは印刷業界の今後について、どんなことを考えてらっしゃいますか?
全くダメになることはないでしょうね、ただ……生き残るには、って部分の土台を固めていかなきゃなと思いますね。
─土台っていうのは……印刷にたいするポリシーみたいなものでしょうか。
そうですね、あとは常々思うのは……刷りものとして印刷物を手元に残しておきたい人っていっぱいいると思うんですよ。それがもっとカジュアルになればいいなあとしみじみ感じます。世間的にはその役割はオフセット印刷ではなく、オンデマンド印刷が担っているわけですが……。ただ、オンデマンド印刷だとしても必要としている人に、自分で何か刷ってみたいと思う人たちに「印刷すること」がもっと身近になってもらえたらって思いますね。
─そうですねえ、印刷の価値や魅力をたくさんの人に届けたいという気持ち、私もすごく共感します。
ええ。私は本を読むだけではなく、本そのものが好きなんです。紙の本はなくなってほしくないし、残していきたいです。
―Sさん、素敵なインタビューをありがとうございました! では最後に締めの一言、YOUは何しに文星閣へ?
S

手元にモノを残せる仕事がしたくて入社しました! よろしくお願いします!

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