人類が未来の地球環境を持続可能なものにするための17のゴールとして、2015年9月に国連サミットで採択されたSDGsは、現在、世界中でその取り組みが進められており、様々な分野での貢献が期待されています。
貴重な環境資源やエネルギーを用いて成り立つ印刷業は、地球環境への配慮をもって社会的責任を果たす義務があり、文星閣ではSDGsが謳われる以前から「水なし印刷」をはじめ、環境に配慮した印刷ソリューションのご提案をしてきました。
これまでは「環境対応の用紙」や「植物由来のインク」など、各工程へフォーカースした要望がほとんどでした。しかし最近では「SDGsに考慮した印刷」や「SDGsへの取り組み」など、「SDGsからみた印刷」についてのお問い合わせも増えていますので、水なし印刷がSDGsとどう関連するのかご紹介します。
水なし印刷のSDGs貢献項目
大気・化学物質汚染
一般的なオフセット印刷(水あり印刷)と比較して、水なし印刷はVOCの発生源となる湿し水を使用しないため、印刷時や機械洗浄時に発生するVOCを大幅に削減しています。
地球温暖化
LCA(ライフサイクルアセスメント)を用い、原材料調達から印刷・廃棄リサイクルまでのCO2排出量を算出し、カーボン・オフセットします。また、湿し水を使用しないため温室効果ガスの排出を抑えています。
資源の枯渇
水の調整が不要なため、本番印刷(色出し)までの準備時間が短縮され、用紙やインキを節約しています。
水質汚染
有害な成分が含まれる湿し水が不要(=水なし)なので、水質汚濁防止法の基準値を超える廃液を出しません。
廃棄物の発生
刷版時に強アルカリ現像薬品を使用しないため、特別管理産業廃棄物に相当する現像廃液を出しません。
資機材の交換
湿し水を使わないため、印刷機内部のローラー等の資材劣化が抑制され、機材の長寿命化を実現しています。
女性や外国人の積極登用
かつてはキツイ・キタナイ・キケンと呼ばれた印刷工場ですが、5S活動が行き届いた弊社の印刷現場では、女性社員や外国人社員も活躍しています。
また水なし印刷機は新人オペレーターの入門機として最適で、女性初のトップオペレーターも誕生しています。
働き方改革
湿し水関連の多くのメンテナンスが不要なため、機械メンテナンスが簡素化できるとともに、水の調整が不要で印刷時の品質安定性も高く、オペレーターのストレスを軽減しています。
印刷工程のDX化
小森コーポレーションの生産管理システム「KP-Connect」の導入により、印刷工程をリアルタイムに管理して生産効率を向上させるとともに、弊社独自の測定値をもとに、生産管理体制や営業、マーケティング活動など、あらゆる角度から数値を分析し、それぞれの活動に活かしています。
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水なし印刷は印刷方式のひとつではありますが、地球温暖化や水質汚濁の防止のみならず、
工場やそこで働くオペレーター環境へも寄与する、包括的な「環境配慮型印刷」であり、
SDGsへの貢献に相応しい印刷方式といえるのではないでしょうか。
水なし印刷について気になる点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。