ちょこっと気になる活版印刷|「印刷学」コラム
2023年 11月 30日
普段から印刷になじみのある方もそうでない方も、活版印刷という言葉はご存知でしょう。
活版印刷とは文字通り「活字版=活字を組み並べて作った版」を用いた印刷のことです。
今から500年以上前、ヨーロッパでインキが改良され、本格的な活版印刷の技術が発明されたことで、
印刷物によって情報があっという間に広がる時代がやってきました。
しかし、実際にはどうやって活版印刷が広まっていったのでしょう?
そもそも印刷物が広まる前はどんな書物があったのでしょうか?
今回の記事では、少し気になる500年前の活版印刷についてお届けします。
▼ 最初の活版印刷物「インキュナブラ」 |

「インキュナブラ」とは15世紀の活版印刷の最初期に作られた印刷物であり、現在では1500年以前に印刷されたもののことを指します。それまでの西洋社会では、書物と言えば「写本」を意味しました。 ![]()
![]() 左:アリストテレス「オルガノン」(写本) 右:「ラテン語聖書」(インキュナブラ)
インキュナブラは必ずしも写本のスタイルで作られていたわけではありませんが、金属活字を用いていたものと定義されています。ただし当時は出版年や出版社を奥付に残す習慣がなかったため、現存しているインキュナブラのほとんどは「いつ、だれが、どこで」印刷したのか明記されていません。 |
▼ グーテンベルクと活版印刷ビジネス |

15世紀のドイツ人、ヨハネス・グーテンベルク(1398年頃ー1468年)は、活版印刷の技術を改良・発明した人物としてよく知られています。
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「ルネサンスの三大革命」と呼ばれている活版印刷、その背景には未だに多くの謎が残されていました。
ですが、グーテンベルクや当時の印刷職人たちの試行錯誤が生み出した印刷技術の革命が、
社会や文化、そして世界の大転換をもたらしたことはゆるぎない事実です。
これからの印刷がどうやって世界を変えていけるのか、歴史を振り返りながら考えていきたいですね。
「印刷学」では、印刷にまつわるカルチャーコンテンツをお届けしていきます!
(参考)
■アンドルー・ペティグリー著『印刷という革命』白水社、2015年
■国立国会図書館「インキュナブラ -西洋印刷術の黎明-」 (https://www.ndl.go.jp/incunabula/)
(2023年11月22日閲覧)
■慶應義塾大学メディアセンター デジタルコレクション「インキュナブラと慶應義塾図書館コレクション」
(https://dcollections.lib.keio.ac.jp/ja/incunabula/explanation)(2023年11月27日閲覧)
この記事を書いた人:営業本部 山本
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